今回は意外と敬遠されがちな脂質のとり方について解説していきます。またコレステロールの意外な役割についても解説します。今回の内容は、一般的なスーパーの食材で実践できる内容となっています。
脂肪酸である飽和脂肪酸(S)、不飽和脂肪酸の一価(M)、不飽和脂肪酸の多価(P)には望ましい摂取比率があります。それは、
3(S):4(M):3(P)
ここで、100gあたりの脂肪酸の量(g)を実際の食品で見てみると、
オリーブオイル(94.57g) 13.29(S)74.04(M)7.24(P)
和牛方ロース(23.28g) 8.28(S)、14.17(M)、0.83(P)
くろまぐろ(脂身)(22.52g) 5.91(S)、10.20(M)、6.41(P)
このように実際の値を見てみると、「オリーブオイル」と「くろまぐろ」は割と(S)(M)(P)のバランスが取れていますが、和牛方ロースは不飽和脂肪酸多価(P)の量が少なくなっています。なので、今回の例ではオリーブオイルやくろまぐろの摂取をおすすめします。
また不飽和脂肪酸の多価でも(n-6系)と(n-3系)では生体における機能が違うため、望ましい摂取比率は
4(n-6系):1(n-3系)
となっています。食品で見る不飽和脂肪酸の多価の比率は
オリーブオイル 6.64(n-6系)、0.60(n-3系)
和牛方ロース 0.80(n-6系)、0.03(n-3系)
くろまぐろ(脂身) 0.60(n-6系)、5.81(n-3系)
オリーブオイルは(n-6系)、くろまぐろは(n-3系)が多いという特徴があります。ここでは例に出していないですが、まあじは(n-3系)の量が多いです。そのためうまく食品を組み合わせるとn-6系とn-3系をバランスよく摂取できます。
ここからは、コレステロールに関してです。
成人の体内には、100gのコレステロールが存在しています。また体成分更新のために1日1g以上の供給が必要となっています。
そして驚くことにコレステロールには下記(1)~(4)の役割があります。
(1)細胞膜の成分、(2)胆汁酸の成分、(3)性ホルモン、副腎皮質ホルモンの成分(4)プロビタミンの成分
これらの、役割があることから成長期にはコレステロールが特に必要とされています。
ここで良く聞く、コレステロールが動脈硬化の原因になるというのは、LDL(肝臓が送り出すコレステロール)と、HDL(肝臓に送られてくるコレステロール)のバランスが崩れることによって起こります。
不飽和脂肪酸の多価を摂取することで、血液中のコレステロールを低下させる作用があるので、うまく活用するのが良いと考えられます。
このように、脂質でも役割を知り、適切な食材を選ぶことによって必要な脂質を選択的に摂取することができます。
今回の記事が、ダイエットの助けになればと思います。